COLUMN "HOLIDAY TSUSHIN"

2013.11.01 №074
黒染めした髪はなぜ色が抜けにくい?

 例えば、就職活動などで、今まで明るかった髪の毛を真っ黒に染める「黒染め」。
就職が決まったので、また明るくしたい!と思ったのに、なかなか明るくならない!!
ということがよくあります。これはなぜでしょうか?

 アルカリのカラー剤で髪を染めるとき、アルカリ剤と過酸化水素をミックスして「活性酸素」を発生させます。この活性酸素が、毛髪内ではメラニン色素を分解するとともに、小さい分子の酸化染料を酸化重合します。酸化重合した染料は、毛髪内に大きな分子になって残るので、洗っても色が落ちなくなります。

 こうしてできた色素は、科学的に安定した強固な性質です。とりわけ、白髪染めや黒染めなどの暗い色調では、分子同士の結合が強くて分子の量も多いです。
 
 もともとの髪の毛の色であるメラニン色素は分子同士の結合が弱く、脱色(ブリーチ)剤で明るくすることができるのですが、化学重合された色素はもっと強固な結合なので、通常のブリーチ剤で染料を分解するのは困難です。こうした理由で、黒染めの色はなかなか抜けないのです。

 こうした時には「脱染剤」というものを使えば、脱色(ブリーチ)剤よりもかなり強力な酸化力を持つので、色素の分子結合を切断し、ある程度まで脱染することができます。

 それでも、黒染めした髪を必要な明るさまで上げるのはなかなか困難ですし、脱染剤は酸化力が非常に強く髪への負担がかなり大きいため、施術には注意が必要となります。

目次に戻る