COLUMN "HOLIDAY TSUSHIN"

2013.10.04 №073
ヘアカラーの色彩学 (補色の効果)

 すっかり秋らしくなってきましたね。
前回のコラムでは、カラーリングの色味の特徴についてお話しましたが、今回は色彩学的に見たカラーリングのお話をしたいと思います。

 赤~黄色~緑~青~紫  というように色相の変化を円状に並べたものを「色相環」といいますが、この色相環の反対どうしにある色が「補色」もしくは「反対色」になります。たとえば、赤の補色は青緑、紫の補色は黄緑です。

 これらの補色同士は、混ぜると黒に近づく性質があります。つまり、補色はお互いの色の特徴を打ち消しあう関係だといえます。

 これをヘアカラーに当てはめてみても同様のことが言えます。
補色同士のカラー剤を混ぜると、ブラウンに近づくのです。ですから、カラーの赤みを抑えたい場合には、反対色であるマット(緑)系の色を使えば、赤みを消してブラウンに戻すことが出来るのです。また、かなり髪が傷んでいて黄色っぽくなってしまっているような場合は、黄色の反対色であるバイオレット系の色を入れると、ブラウンに近づきます。

 日本人の黒髪は、脱色していくとだんだんオレンジ色っぽくなって、次に赤系の色素が抜けてイエローっぽくなっていきます。
なので、髪にダメージがあると赤茶けていき、だんだん黄味だけになりますし、日本人の中でも元々赤みの強い方など、髪の色のはかなり個人差があります。

 ですので、もともとの髪の毛の色によっても、カラーの出具合が変わってきます。赤みが強い方だと、なかなかマット(緑)が出にくいなどは、こうした理由からなのです。
 
 カラーリングでは、こうした色彩学の理論が大きく関わっているのです。

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