COLUMN "HOLIDAY TSUSHIN"

2011.08.31 №048
エコ考

 今年は今までとは違い、「本気の節電」が求められています。エネルギー問題に関して、否応無しに転換が求められている今日この頃。

   数年前から「エコ」とか「地球にやさしい」といった言葉をよく耳にするようになりました。でも私はどうも、この言葉が好きになれません。現代人の生活の営みは絶対的に地球に負荷をかけるものです。ちょっとばかり環境に負荷が少ないからといって「地球にやさしい」なんて軽々しく言えません。

 私達は美容院をやっていますので、シャンプーで排水を流しますしドライヤーも使いますし、冷房だって付けます。使用する材料などは厳選していますが、どうしたって環境に負荷は掛けざるを得ません。

   例えば、ナチュラルなので石鹸シャンプーをお使いの方も多いと思います。確かに普通のシャンプーに比べれば生分解性も優れています。でも石鹸だからと言って排水が汚れない訳ではありません。本当に地球に優しくしたいなら、いっそ坊主頭にしてしまうとか、シャンプーは一週間に一度で我慢するしかない訳です。でも、そうはいきませんよね?
 また、石鹸シャンプーはうまく使いこなせないと逆に髪や頭皮がベタついてしまったり、カラーやパーマの施術のムラになる事もあり、美容師かたするとちょっと扱いづらい部分もあります。美容室専用のシャンプーの方が性能として優れていたりすれば、私達はやはりそちらを選びます。

 つまり、人間の欲望と、既に出来上がってしまった社会と、どう折り合いを付けながら環境問題に取り組むかが問題なのです。
 単に昔の生活に戻るのではなく、温故知新の心を持ちつつもあくまで先に進まなければならないと思います。その上で、人間が生き延びようと滅びようと、全てひっくるめて、それが自然なんだ、と思うのです。

今後、私達の社会がどう変わって行くか、よく見つめないといけませんね。

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